陶器と洋食器の持つ吸水性

日本の陶器と洋食器は同じ食器ですが、その機能性には違いがあります。陶器の表面は多孔質なので吸水性が高く、洋食器は磁器のため吸水性がありません。陶器は陶土が原料として用いられ、800度から1200度で焼いて作られます。透光性がないので、光を通さず、素朴でやさしい雰囲気を持つのが特徴です。粒子の粗い土が原料のため、表面には無数の孔が開いています。

対して、磁器は石を砕いて粉状にしたものを粘土に混ぜておよそ1200度から1400度で焼き上げられています。使用する原料はきめ細かいので、表面の目が詰まっている状態です。このため、陶器は醤油やコーヒーなどの色の濃いものの器として使用すると、色がつく場合もあるので注意が必要です。色付きを防ぐために、使用前にいったん水でゆすいでおく必要があります。乾燥している食器に水分を与えておくと、色のついた液体を入れても染み込むのをある程度防いでくれます。また、食器として使用した後は、よく乾燥させなければいけません。

水分が染み込んでいるので、そのままではカビが発生する原因になります。対して磁器は吸水性がないので、色付きやカビが生える心配はあまりありません。陶器は日本各地で作られており、魅力的な食器がたくさんあります。使用するときは上記のような点に注意を払うと、長期間いい状態で使っていけるでしょう。