陶器と洋食器の材質

いわゆる「せともの」を指して陶磁器と呼ぶことがありますが、これは材質的には陶器と磁器の2つをまとめた用語です。どちらも、土を焼くことでその土中に含まれる成分の一部分が溶けたガラスのようになり、それが冷えるときに周囲の土を結合させつつ固まることでしっかりと成形され、食器として使えるようになるという点では同じです。

陶器と磁器の違いは、使われる土の主成分の違いによります。俗に、前者は土物、後者は石物と呼ばれることがありますが、これが両者の違いを端的に表わしています。陶器の原料は土がメインというか、その性質を決める上で非常にキーとなっています。土というだけでは分かりにくいでしょうが、粘土というのが最もピンとくるかもしれません。ろくろを使い、粘土を成形しているシーンを尾も浮かべてもらえば結構です。

一方、磁器は石物と呼ばれますが、もちろん私たちが通常イメージする石では焼き物はできません。イメージとしては、石を細かく砕いた砂というほうが正しいでしょう。もちろん、砂だけでは焼く前に形を作ることができませんから、粘土も使います。しかし、性質を決める上で重要なのは粘土ではなく砂のほうなのです。

陶器は主に和食器、磁器は主に洋食器の材質となっています。